500年にも及ぶ長い戦争の後、ある一人の英雄の活躍により

恒久の平和が訪れた地、グランタニア。

​

​王国の若き兵である青年イオはとある任務のため

王国宰相であり、養父でもあるバスケス率いる一個隊と共に

恐ろしい魔術師が住まうと噂される森"凍雨の森"近郊を訪れる。

そこで彼は未知の不気味な怪物に襲われ、イオの所属する部隊は成すすべなく

壊滅する。

唯一生き残ったイオは必死で逃げる内に森の中へと迷い込み、意識を失った。

​

瀕死の重傷に一度は死を覚悟したイオだったが、

凍雨の森に住む謎の男ダーニスに命を助けられる。

「足が治ったら、すぐに出ていってもらう。」

​男の只ならぬ気配と冷酷な態度に警戒をしていたイオだったが、

ダーニスと過ごすうち、端々に見える本当の姿に触れ、徐々に惹かれていく。

彼との間に未だ見ぬ大きな宿命が存在することを知らずに――

​

偶然と思われた出会いは運命を絡ませる。

寂しさに触れ合った熱は二人の心を溶かし、

雨に打たれるように、やがてゆっくりと溶融する。

​